韓国に来て最初の数ヶ月、自分が何番に電話すればいいか知らなかった、という話は珍しくないと思います。日本なら110番と119番は体に染みついている。でも韓国では?引っ越してきて、交通カードの使い方やゴミの分別ルールを覚えることに必死で、緊急電話なんて「そのうち調べよう」と後回しにしていた人も多いはず。

友人がソウルに来て3ヶ月目に、隣人が廊下で倒れる場面に遭遇したことがあります。スマホを手に取って、5秒固まったそうです。結局、別の隣人の部屋をノックして、韓国人の方に電話してもらった。その話を聞いたとき、他人事に思えなかった。

だから今日は、知っておけばよかったと思う番号をまとめておきます。特に、ほとんどの外国人が来たばかりのときに誰にも教えてもらえない、ある番号のことを最初に話します。

まず保存してほしい番号:+82-2-3210-0404

これが今日いちばん伝えたいことです。「外国人向け緊急通報支援センター」といって、国が公式に設けている中継サービスです。この番号に電話すると、英語ができる通訳者がつながり、その人があなたの代わりに112か119に電話をかけ、状況を伝えてくれます。通話の間、通訳者がずっと間に入ってくれる。

なぜこれが重要かというと、112や119に直接かけても英語が通じるとは限らないからです。ソウル都心部、昼間であれば英語対応ができるオペレーターに当たることもある。でも地方や深夜になると、かなり厳しくなることがあります。オペレーターが悪いわけじゃない。緊急通報は基本的にその国の言語で運営されているものだから、それは当然のことです。

だからこそ、+82-2-3210-0404 をいま連絡先に保存してください。名前は「韓国緊急英語対応」でも「EMERGENCY KR」でも、パニックになっているときでも探せるものにしておくのがおすすめです。

112 — 警察

112は警察です。犯罪が起きているとき、交通事故、不審者、ストーキングや脅迫を受けているとき。パスポートや財布を紛失したときの届け出も112に電話して受理してもらえます。ただ、紛失物はlostfound.police.go.krというオンラインポータルからも申告できます。韓国語で入力する必要がありますが、電話で説明するよりずっと気楽な場合もある。

もし逮捕や拘留という最悪のケースになったときは、ウィーン条約に基づいて本国の大使館や領事館に連絡する権利があります。これはきちんと主張して構いません。

119 — 消防・救急

119は火事・救急です。医療的な緊急事態、誰かが倒れた、意識がない、心肺停止が疑われる、火災、交通事故で怪我人がいる。警察案件ではないが今すぐ助けが必要、というとき119です。

救急車が来ると、KTASという重症度分類(レベル1〜5、1が最重症)で患者の状態を評価します。以前は救急車が病院に到着してから満床を理由に断られ、次の病院、また次の病院と転々とする「ER乗り回し」問題がありました。2025年に政府がこの問題への対応として新しいパイロット制度を導入し、119の指令センターがKTAS1〜2の重症患者を受け入れ可能な病院に直接振り分けるようになりました。実際の改善だと思います。

電話したときに最初に伝えること

112でも119でも、通訳中継番号でも、最初の30秒で伝えるべきことは同じです。正確な場所(建物の名前、フロア、近くのランドマーク)、何が起きているか、自分の名前と電話番号、怪我人がいるか・意識があるかどうか。

場所の伝え方が一番難しいんですよね。韓国の住所体系は慣れていないと混乱するし、地図アプリだけで生活していると自分の住所をとっさに言えないことがある。対策は単純で、自分の家の住所を韓国語でスマホに保存しておくことです。Naver Mapsでマンション名と住所をスクリーンショットしておくか、韓国語が話せる友人や同僚に入力してもらっておく。パニック状態でも読み上げるだけでいい。

言葉が出ないほど混乱しているときは、カカオトークかNaver Mapsで現在地を韓国語の話せる知人にシェアして、その人に電話してもらうという方法もあります。

120 — ダサンコールセンター(非緊急)

120はソウル市の生活サービス窓口です。緊急用ではありません。街灯が壊れているとか、行政手続きの問い合わせとか、市の生活サービスに関する質問に答えてくれます。英語対応のオペレーターもいます。誰かが倒れているときにかける番号ではない。韓国の都市生活でちょっと困ったことが起きたときに便利な番号だと思ってください。

1330 — 韓国観光公社の多言語案内

1330は韓国観光公社が運営する多言語対応の案内ダイヤルです。日本語でも相談できます。本物の緊急事態には向いていませんが、緊急ではないけどどこに聞けばいいかわからない、という状況のときに助けてもらえます。韓国に来たばかりで何かと手探りな時期に、覚えておいて損はない番号です。

1366 — DVホットライン

1366は家庭内暴力被害者向けの相談ダイヤルです。24時間365日、無料です。自分自身のためだけでなく、周囲の状況が心配になるときのためにも、番号として知っておくと良いと思います。

医療費のこと

これは知らないと驚くことがあります。アメリカ国務省のサイトには明確にこう書いてあります。「韓国での医療費はすべて自分で負担する」と。病院が自動的に保険会社に請求してくれるわけじゃないです。先払いして、あとで保険に請求する流れです。

韓国に6ヶ月以上いるほとんどのビザ保持者は国民健康保険(NHIS)への加入が義務付けられています。加入していれば医療費の約70%をカバーしてもらえて、自己負担は30%程度です。まだ加入前だったり短期滞在の場合は全額自費になるので、渡航前に医療費用の保険を確認しておくことをおすすめします。

英語対応がしっかりしている病院を探しているなら、延世大学セブランス病院、ソウル国立大学病院、アサン医療センター、サムスン医療センターあたりが外国人患者向けのセンターを設けています。緊急でない受診なら、あらかじめ国際診療センターに連絡してから行くとスムーズです。

何もないうちにやっておくこと

何もないうちに準備しておくのが一番です。+82-2-3210-0404を保存する。家の住所を韓国語でメモしておく。韓国語が話せる知人の連絡先を緊急用として手元に置いておく。大げさな準備じゃない。ここで暮らしている人として、当たり前のことをしておくだけです。

韓国の緊急サービスはレベルが高い。救急車は速いし、病院も優秀だし、警察も対応が丁寧です。外国人にとって一番の壁は言語だけ。そしてそれは、+82-2-3210-0404を知っているだけでかなり解消されます。

いまスマホに保存してください。それだけです。